屋根裏伝説は ”船場吉兆” を越えた・・・

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たまには話題を変えて・・・・
スキー(ボード)業界には「居候」という貴重な習慣がある。言葉は悪いが人件費を必要としないので経営には大変ありがたい制度である。日常の業務を手伝ってもらう替わりに、寝食を与えスキーを楽しむ時間を与える。互いのメリットがフィフティー・フィフティーであってこそ上手くいく。当方は「来る者拒まず、去る者追わず」のポリシーからして、幸いにも居候には恵まれてきた。特にスキー全盛期は各大学のスキー部も華やかな時代で、彼等彼女等の合宿と合宿の合間や部活行事終了後は常にシーズン終了まで人手に困った事はない。今までに延べ2~300人とご縁を頂いてきた。年月が経つにつれ疎遠になりつつも、今でも5~60人のOB・OGとは年賀状をはじめとしてたまのご来館や知人をご紹介頂いたりでご縁がつながっている。ありがたい事である。これだけの人達が年々通りすごして行くと必ず一つや二つの”伝説”が残る。楽しいものである。
12~13年のご縁を頂いているS君がこのほど結婚される。彼もまた”伝説”の持ち主だ。岡山出身の彼が大学1年の冬、やはり居候OBの紹介で来る事になった。当時はまだスキーが全盛で、ボードにはゲレンデでも大層規制を受けていた時代であったが、当方でのボーダー居候第1号者であった。当時、茶髪にピアスは流行りではあったが私からして体育会系ばかりの当方居候群の中では異質の存在だった。でも何処か上品さ育ちの良さをにじませ、穏やかな風貌は居候間では人気者であった。話を聞いてみると、名門・備前焼窯元の息子で将来家業を継ぐ陶芸師の卵だ。なるほど、仕事は誠実丁寧でそつ無くこなすし、回りに配慮もできる。素晴らしい人間だ。彼の意外な一面が面白い。昨日名門・高級料亭「船場吉兆」が廃業に追い込まれた。「料理の使いまわしが致命傷」となった。”お出しして残された美しいお料理” とつぶやき女将の詭弁は通じるはずもない。自業自得だ。おそらく当初は何かの突発的事情で「出来心」でやった事がついつい常套化したのだろう。当館でもそのまま手つけずの料理が戻ってくる事がある。確かに「もったいない」気持ちはわかる。しかし当館では洗い場に陣取る彼を先頭に私に”出来心”の隙すら与えない素早さで彼等の口に放り込まれる。多少の”食いかけ”も彼等には”セーフ”らしい。
”セーフのS君”の伝説は”船場吉兆”を越えさせてくれた当館の大恩人でもある。彼の人生、幸多い事を願いたい。

※ 【屋根裏伝説】 居候は20人程度が収容できる屋根裏部屋が普段の生活空間。

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